今月が旬の木【イロハモミジ】

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今年は11月が旬の木をご紹介致します。
今回は【イロハモミジ】についてお話致します。
イロハモミジの花言葉は、「美しい変化」「大切な思い出」。

【イロハモミジとは】
・福島県以西の本州、四国及び九州に分布するムクロジ科カエデ属の落葉広葉樹。山地から平地にかけて広く自生し、繁殖力が高いため暖地であれば里山の林内、水辺などにも育つ。

・日本には30種ほどのカエデが自生するが、細かな葉が綺麗に紅葉するため、本種はオオモミジ、ヤマモミジと並んでカエデを代表し、最も普通に公園や庭園に植栽される。日本の秋を象徴する木となっているが、中国南部、台湾及び朝鮮半島の山地でも普通に見られる。

・本項ではより一般的なイロハモミジを見出しとしているが、正式な和名はイロハカエデ。「モミジ」という言葉は、物に色が付くことを意味する古語「もみつ」が変化したもの、あるいはベニバナから紅色を採り出す作業「揉出(もみず)」を名詞化したもので、秋に色付く樹木全般を示した。また、「カエデ」は「蛙手」で、葉の形をカエルの手に見立てたもの。葉は枝から対になって生じる。

・別名のタカオモミジは紅葉の名所として知られた京都西北部の高雄山に由来。本種とオオモミジを併せてタカオモミジ(カエデ)と呼ぶこともある。イロハモミジは枝葉に変異が多く、古くから数多くの園芸品種が作り出され、その数は200を超えるとされる。

・イロハモミジの若葉は5つ、成葉は7~9つに裂け、最も外側の裂片が小さくなのが普通。7つに裂けた裂片を順に数えると、丁度イロハニホヘトの7文字に合致することを面白がってイロハモミジ(あるいはイロハカエデ)と呼ばれるようになった。

・葉は秋に色付くが、環境や個体によって赤、橙、黄と微妙に異なった色合いになる。

・柄を除いた葉の直径は3~7センチほどで、枝から対になって生じる。自生のモミジでは最も葉が小さいため、別名をコハモミジという。葉の先端は尖り、縁には不規則なギザギザが二重にあり、裏面の葉脈の基部には細かな毛を生じるが、成葉では脱落する。

・あまり話題にならないが春の芽出しと共に4~5月にかけて深紅の小花が垂れ下がって咲く。雌雄同株で、同じ花序(花の集り)に雄花と両性花が20輪ほど混ざって枝先に垂れ下がる。

・花の直径は5ミリほどで花弁と萼は5枚、雄しべは8本ある。両性花では扁平した子房と退化した小さな雄しべがあり、雄花には長い雄しべと退化した小さな雌しべがある。花柄や葉柄に毛がないのもイロハモミジの特徴。

・花の後には長さ1~2センチの果実ができる。でき始めの果実は深緑だが、夏に熟して赤くなり、プロペラのような翼が目立つようになる。翼はよく似たオオモミジよりも大きく開き、秋には2個に分離し、それぞれが回転しながら風に乗って飛んでいくが、いくつかの翼果は葉が落ちた後も枝に残る。

・若い木の樹皮は緑色で樹齢を重ねると淡い灰褐色になり、縦に浅い割れ目ができる。欧米のカエデ類に比べると樹皮が滑らかなのが大きな特徴の一つ。樹高は最大15mほどだが稀に30mに達するものがある。幹は曲がりが多いものの、建材や器具材として使うこともある。幹の直径は最大1mほど。

・人名に多用される「楓」は本種をイメージしていると思われるが、中国語としての「楓」はフウ(タイワンフウ)を示す。また、盆栽の世界ではイロハモミジを「ヤマモミジ」と呼ぶことがあるものの、本来のヤマモミジは本種と異なる。

【イロハモミジの育て方のポイント】
・湿気のある日向がベストだが、半日陰にも耐える。

・成長が早く巨木となるが、剪定を好まない。特に夏季の強い剪定は枝枯れを引き起こす可能性が相当高い。また、自然樹形をいかす剪定は難しい。一般家庭での植栽には広いスペースが必要となる。

・垣根として使うケースもあるが、成長が早く、すぐに形が乱れて長続きはしない。

【イロハモミジの品種】
江戸末期から明治初期にかけて盛んに園芸品種が作られ、最盛期には数百の園芸品種があったとされるが、原種や系統の不明なものが多い。主な品種は以下のとおり。

・高雄
 正式な品種ではないが、葉形と紅葉が特に美しい個体を江戸時代から「高雄」と呼び、各地にその名残がある。

・赤地錦(青崖)
 新芽の紅色が鮮やかな品種。横幅が大きくならず、上へ伸びる。

・千染(ちしお)
 これも新芽の紅色が美しい品種だが、枝が横に張る。

・織殿錦(おりどのにしき)
 葉に斑模様が入る品種。新葉の斑は黄色、成葉では紅色になる。

・清姫(きよひめ)
 葉が小さく、樹形が野趣に富む盆栽用の品種

【イロハモミジに似ている木】
・オオモミジ  ヤマモミジ
・ベニシダレ(紅枝垂れ)
・アオシダレ(青枝垂れ)。

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